高齢出産を願う

妊娠糖尿病の診断基準は?基本的な治療は食事療法

妊娠糖尿病は、胎児の器官が形成される妊娠初期に早期発見して、血糖値を管理していくことが大切です。

膵臓から分泌されるホルモンのインスリンは、血液中のブドウ糖を体内の細胞に送って活動エネルギーに変える働きがありますが、糖尿病では、このインスリンが不足したり効率よく利用できなくなったりして、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなって、糖が尿に排出されます。

妊娠中の糖尿病には、妊娠する前から糖尿病だった場合と妊娠を機に糖尿病を発症した場合とがありますが、後者が妊娠糖尿病と呼ばれます。

妊娠糖尿病は、出産後には正常に戻ることが多いですが、将来的に再発することもあるので注意が必要です。

妊娠糖尿病になると、妊娠高血圧症候群、流産、早産、胎児奇形、胎児死亡、羊水過多などになりやすくなります。

日本人は元来糖尿病になりやすい人種だと言われていますが、近年の食の欧米化で、糖尿病は一層の増加傾向にあります。

また、糖尿病は高齢になるにつれて発症しやすくなるので、高齢で妊娠を望む場合には、妊娠前に血糖値をチェックしておくといいでしょう。

少しでも血糖値が高いようなら、詳しく検査をしておくことをおすすめします。

血液検査と75g糖負荷試験

糖尿病には目立った自覚症状がないので、検査によって見つかる場合がほとんどです。

妊娠糖尿病で重要になるのは、高血糖状態であるかどうかということです。

妊娠糖尿病に対しては尿検査が行われますが、妊娠中には腎臓の働きに変化があり、尿糖の陽性が続く人もいるので、妊娠初期と中期には血液検査で血糖値を測ることが重要とされています。

それぞれの医療機関で異なることもありますが、血液検査の結果、食後2~4時間後の血糖値が95~100mg/dl以上の場合は、陽性とされます。

陽性の場合は、75g糖負荷試験で確定診断が行われます。

また、
・血糖値が100mg/dl未満でも尿糖陽性が続く
・糖尿病の家族歴がある
・過去の妊娠で巨大児を出産したことがある
・高齢出産
・肥満体質
などの場合にも、75g糖負荷試験が行われます。

妊娠糖尿病での胎児の死亡原因のほとんどが胎児奇形(水頭症、無脳症、心疾患など)とされているので、胎児の器官が形成される妊娠12週までのなるべく早い時期に検査をして、病気が発見されたら速やかに治療を開始することが肝心です。


75g糖負荷試験での妊娠糖尿病の判断基準

次のうちの1つ以上を満たすと、妊娠糖尿病と診断されます。

・空腹時 : ≧92mg/dl
・負荷後1時間 : ≧180mg/dl
・負荷後2時間 : ≧153mg/dl

食事療法で血糖値をコントロール

妊娠糖尿病と診断されたら、基本的には食事療法で治療していくので、1日の摂取エネルギーを制限して、栄養バランスのとれた食事をしていきます。

1日3回食で改善しない場合は、1回の食事量を減らして1日6回食程度にし、1回の摂取エネルギー量を少なくすると効果的です。

食事療法だけで改善されない場合には、インスリン注射が行われます。

胎児の状態は、超音波検査で、奇形の有無、発育状態、羊水量をチェックしていきます。

血糖値がうまくコントロールできて、母子ともに経過が良好なら、経腟分娩も十分に可能です。

出産後

妊娠糖尿病の場合、出産後には、症状はほとんどなくなりますが、将来的には糖尿病を発症する可能性があります。

出産後1~3ヵ月頃に血液検査か75g糖負荷試験を行って、糖尿病が再発したとしても、早期に発見できるように努めましょう。

できれば、年に1度は婦人科で血糖値を測るようにしたいものです。